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【スポキャリインタビューvol.7 】輿 亮さん(日本アメリカンフットボール協会 常務理事 強化育成委員長兼フラッグフットボール委員長/富士通フロンティアーズ元監督/NHK BS NFL解説者)

2021年02月04日 14:00

スポキャリ

  • 【スポキャリインタビューvol.7 】輿 亮さん(日本アメリカンフットボール協会 常務理事 強化育成委員長兼フラッグフットボール委員長/富士通フロンティアーズ元監督/NHK BS NFL解説者)

学生のこと、就活のこと――スポーツ界の指導者に聞いてみた

 

(日本アメリカンフットボール協会 常務理事 強化育成委員長兼フラッグフットボール委員長/富士通フロンティアーズ元監督/NHK BS NFL解説者)
輿 亮さん

企業が求めているのは、入社後の“伸びしろ”だ

入社した富士通でアメリカンフットボールチーム(富士通フロンティアーズ)の発足にかかわり、選手、コーチ、のちに監督も務められた輿亮(こし・まこと)さんは、現在も日本アメリカンフットボール協会の常務理事として強化育成や・フラッグフットボールの普及に尽力されるなど、日本のアメリカンフットボール界の発展を影で支える人物の一人だ。

テレビでのアメフトの解説やネットや座学での観戦講座の講師なども続けておられる。

その一方で、富士通では理系社員としてレーザープリンターの開発、海外ビジネス展開などに力を注いでこられた。36年の富士通人生では、11年間、人材育成にも関わったそうだ。

そんな輿さんに、アメフト部員のみならず体育会、特にチームスポーツに取り組んできた学生の就活について、聞いてみた。

 

★体育会学生の強みは今も昔も変わらない

「社会に出ること、会社勤めをすること、という大きな一歩を踏み出すなかで、体育会の学生が部活で身につけた“礼儀、元気、挨拶”は、間違いなく強みになる。

一般の学生に対して一歩先んじていると思ってほしい」と輿さんは言われた。

「入社してからも、“今度うちに来た〇〇って、元気がよくていいよなあ”といわれることは、多いのです。出来ない社員に、あとから教え込もうとしても、なかなかむずかしい。

大学の部活でカラダに染みついていて、会社に入った時から、それが自然にできる体育会学生は、企業にとっても、職場にとってもありがたい存在なのです。そこを自信にしてほしい」

 

学生時代にアルバイトの経験はあったにしても、どの勤め先に行っても、仕事は初めてのこと。これは、誰でも共通でしょう。ですから職場で「学ぶ」ことがキホンになる。

「職場の方々、先輩に訊く、学ぶ」「自分で出来るコトが増えていく」「周囲や上司から任される仕事が増える」「仕事に自信を持ち、やり甲斐を覚える」というステップは、新社会人は誰でも通る道であり、学歴やいわゆるアカデミックな優劣は無関係だと思うのです。

そして、これらの「学び」は、職場の方々とのコミュニケーションを通じて得るものですから、先に述べた“礼儀、元気、挨拶”という「三点セット」は、この場面でも、間違いなく有利に働きます。

 

★自分の感情をコントロールして、考え・行動できることが「強み」

輿さんは講演の中で学生たちに向け、説いていた。

「アメリカンフットボール(以下、アメフト)というスポーツは、ポジションによって役割が大きく異なるスポーツです。

大学では部員が足らなくて、複数のポジションをこなすという選手もいるでしょうが、基本的には、監督・コーチが、それぞれの特性を見極め、選手に合ったポジションに配置します。

これは、なにもアメフトだけの話ではなくて、社会に出ても同じ。

みんながみんな希望通りの職種、業種に入れるわけではなく、また、入った会社の中でも、希望通りの部署に行けるわけでもないし、希望通りの仕事に就けるわけでもない。

それは、採用する側がその学生の適材適所を考えて所属部署を決めるからです」

それは「アメフトなど特にチームスポーツの中でもいえることで、希望通りでなくても、勝利を目指すチームのために自分は何ができるかを、考え、行動してきたでしょう。

 

会社でも製品を作る、利益を出す、お客様にサービスを提供するという目標を持ったチームに、どう貢献するかを考えるのは同じことではないでしょうか」と、強調しました。

体育会に所属している学生の多くは、そういった「希望が通らずともチームに貢献する」という、ある意味の「理不尽さ」に対して、自分の感情をコントロールして、行動するという経験を積んできているのです。

その経験を学生時代にできていることが “強み”と感じてもらえるようになってほしいとも言われています。

採用する側からしてみれば、履歴書に書いてある学部やゼミ名「以外に」「何に取り組んできたのか」を聞きたいはず。

それは「入社後の“伸びしろ”に期待して採用したいから」なんです。

「採用した上で、やってもらう仕事を決める」メンバーシップ型から、「やってもらう仕事を決めた上で採用する」ジョブ型採用といわれる就活に、日本もシフトしていくという話題もされていた。

そのためには、漠然と、「その会社に入りたい」ではなくて、その会社で何をやりたいから入るのか、もっと言えば、自分には何が出来るのかを、しっかりと認識していることが求められる時代になるでしょう。

 

そういった社会の要求の変化に対して、学生としても、あるいは社会人になってからも対応していくことも大切です。

 

「まして、これからは、終身雇用が絶対というわけでもない時代。まずA社に入社して頑張ってみよう。

そうすると周りがだんだん見えてきて、いろいろ、やりたいことが広がってくると、入社した会社で十分なのか、足りないのか、を考えるようになる。

自分が目指すことと、会社の方向性や範囲が違うと判断すれば、異なる世界に進むのだってありだと思う。高橋社長も言われていたけれど、就活はゴールではなく、キャリアのスタート地点に立っただけ」

 

時代の変化、移り変わり――。

輿さんは就活に際して、採用する側の企業も、採用される側の学生もしっかりと考えながら臨むべきだと力を込めておられた。

 

 

◆就活のためのキーワード

1・体育会学生として経験した耐性をフルに発揮

2・学生時代の勉強だけが、入社後の働きを左右するわけではない

3・時代の変化、環境の変化を感じ取ろう

 

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